先日、知人と日本茶カフェでランチをしました。注文したのは「おにぎりプレート」。たくさんのおかずの中に、おにぎりが1個。手作りのおかずはどれも美味しく、茶葉とシラスが入っているおにぎりは、絶品でした。
話している中で、知人が
「嫌われたくないという思いがどこかにあって、無意識に人に合わせてしまうんですよね」
と、つぶやきました。
確かに、誰でも嫌われたくないと思うから、自分を抑えて、人の考えや意見に合わせようとしてしまうことはあります。
そんなときに思い出すのが、『論語』の次の章句です。
君子は周して比せず。 (くんしは しゅうして ひせず)
小人は比して周せず。 (しょうじんは ひして しゅうせず) 〔為政14〕
《訳》立派な人間は、誰とでも親しむが、馴れ馴れしくすることはない。
つまらない人間は、馴れ馴れしくしても、公平に親しむ合うことはない。
どんな人とも分け隔てなく接することができる。だけど、一線を越えた態度や口調で接することはしない。
これは、「相手に対する敬意」をもっているから。
一方、自分にとって都合のいい人間だけに近寄っていく。だから、付き合う者が偏ってしまう。
これは、「自分本位」で考えているから。
「人間として正しいあり方か」ということを判断の基準にしていくと、
いま、どのような言葉をするのがいいか、どのような行動がふさわしいのか、
というようなことが、自然に観えてくるように思います。
「自分にとって得か」でものごとを考えてしまうと、判断の鏡が曇ってしまう。
だから、生きていくうえで、「人間として正しいか」ということも大事にしたい。
知人が、何に対して「合わせてしまうのか」は聞きませんでしたが、
私は、いつも何かを考えたり決めたりするときには、「人間として」ということを、いつも念頭に置いています。